自律神経失調(こころの病)は漢方薬の得意分野です

東洋医学では『心の病』『五志の憂』と言います

五志とは、東洋医学の概念で「怒・喜・思・悲・恐」の5種の精神状態を言い、この五志が乱れる事で色々な症状が出るとされていまころの病(五志の憂)は、ストレス社会と呼ばれる現代日本において急増している疾患です。こころの病ですから、病院で検査をしても「異常なし」と言われてしまいます。
すると当のご本人は羅針盤をなくした船のように方針が定まらずに余計つらくなってしまいます。

しかし原因不明ですからどうすることもできない。
仕方ないから精神薬で応急処置をする。
というのが一般的な西洋医学的治療です。
応急処置を得意とする西洋医学ですから、なかなか良い成果が出ないのが現状です。

これに対し東洋医学では、こころの病のことを五志の憂と言います。
五志とは、東洋医学の概念で「怒、 喜、 思、 悲 、 恐」の5種の精神状態を言い五志が乱れる事で色々な症状が出てきてしまいます。
体質を見極めて適切な薬方を導く漢方では、心の動きに対しても原因を探ることができるのです。

そもそも『病気』とは 『気』『病』む と書きます。
気の流れを良くすることのできる漢方薬はまさにうってつけなのです。

自律神経失調(五志の憂)で起こる症状の一例

・緊張して喉が詰まり食べ物を飲み込む事が困難
・動悸がして日常生活がおくれない
・ストレスがたまると頭痛が悪化する
・人混みに出るのが怖い
・人が多いと緊張して上手く歩けない
・トンネルがこわい、電車に乗るのがこわい、雑音が気になり外に出るのがきつい などなど。
 
 

こういった症状は本人にしかわからないつらさ故に、世間的に(周囲から)理解されにくいものです。
しかし、漢方を学び治療する我々にとっては、こころの病はなるのも治るのも当たり前と考えています。

カウンセリング時に患者さんから症状を詳しくお聞きすると、ご本人のつらさ、生きづらさを感じます。

逆に、漢方薬を飲むうちに症状が改善されていくと、ご本人も笑顔が増え口数が増え、私も嬉しくなります。
ひとりで悩まずに、お気軽にご相談くださいね。

五志の憂から起こる病名

自律神経失調症 ・ 不安神経症 ・ うつ病 ・ パニック障害 ・ 摂食障害 ・ 統合失調症 ・ 不眠症(中途覚醒・早朝覚醒) ・ 更年期障害 ・ 過敏性大腸炎 ・ 適応障害 ・ 解離性障害 ・ 強迫性障害 ・ 過換気症候群(過呼吸) ・ 神経性胃炎 ・ 心臓神経症(動悸・頻脈) ・ 不整脈 ・ メニエル(自律神経性めまい) ・ 神経性頻尿(過活動膀胱) ・ 多汗症(手汗・足汗) ・ 円形脱毛症 ・ あがり症 ・ チック症 ・トゥレット症候群 ・ ふるえ(振戦)など

不眠症

不眠症といっても一人ひとりそれぞれ症状が違います。
寝付きが悪い・眠りが浅い・一度目が覚めると眠れない・早朝に目が覚めてしまうなど症状は様々です。
睡眠不足、睡眠の質の低下から頭痛倦怠感(だるい)易疲労感(疲れやすい)などの症状が出やすいです。
又、症状は同じに見えても使う漢方は全く別になりますので、オーダーメイドの治療が必要であり漢方薬の得意分野と言えます。
不眠症
 

パニック障害

突然に漠然とした不安感や圧迫感、動悸やめまい、発汗、呼吸困難、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出てしまいます。
 
うつ病を併発しやすく、発作をくりかえすうちに発作に対する恐怖心で不安感が募り、予期不安となり悪循環に陥ります。電車や遠出が苦手な方が多いです。
パニック障害
 

チック

運動チック 音声チック トゥレット症候群などと呼ばれます。
病名よりも病状(症状の大きさ、進行度、重症度)や体質(性格も含めて)を重視して漢方薬を選びます。
抑肝散加陳皮半夏がよく使われるようですが、それでは治らない場合も多く、それ以外にもチックに使う漢方薬は多数あります。
チック
 

うつ病

気分が落ち込んだりやる気が出ない、物事の見方が否定的になったり漠然とした不安感があります。
 
不眠摂食障害になることも多いです。
そして、うつになった自分を『ダメな人間だ』と自分自身を責めてしまい悪循環に陥ります。
 
朝起きれなかったり午前中が調子が悪いかたはうつ病の傾向があるので要注意です。
双極性うつ病(躁うつ病)の場合は普通のうつ病とは少し違うのですが、漢方では共に五志の憂として治療します。