心因性疼痛(ストレスによる痛み)の症例です。
20代 女性
2015.08.08

左半身の痛み(心因性)がつらくて相談にいらっしゃいました。
主な症状は、左手のしびれ・腰痛(左側)・左足太腿~足首の神経痛・左足の裏の痛みです。

6月初頭に漢方薬を飲みはじめ1ヶ月経つ頃に、痛みは一旦消失しました。
しかし、その後漢方薬を飲み間違えてしまったため、治癒がうまくいかず再発してしまいました。
前回の内容

その後、胃腸風邪に罹ったためにそちらの治療を優先し、今回いよいよ痛みの漢方薬を再開することに。
(睡眠に関する漢方薬は継続服用して頂いてました)

痛みの特徴

・朝がいちばんひどく、歩くのがつらい
・足の裏の痛みは、日によって痛む場所が変わる
・階段の上りが大変
・どうかするとしびれ感や神経痛のような痛みが出る
・ストレスが強くかかると痛みが悪化する

その他の症状
・睡眠の質がよくない(寝付きが悪い、2時ころに目が覚めてしまう)

問診と糸練功の結果から、水毒を排泄する漢方薬を選定、飲んで頂く。

1週間後
「足の痛みが楽になった!」と喜んでいらっしゃいました。
朝の痛みはほとんどなくなって楽になり、日中に至っては気にならないとのことです。
しかし、左足が重く感じ、たまに正座したときのしびれみたいのが起こるとのこと。

睡眠に関しては、漢方薬でかなり良くなっているようです。
五志源を補助として飲んで頂いていますが、五志源を飲むとさらに睡眠の質が良くなっていることが実感できるので嬉しいようです。

症状はかなり改善傾向にありますが、まだ治っている最中ですので今回も前回と同じ内容で継続して飲んで頂くことをおすすめしました。

治療のポイント

心因性疼痛という言葉はあまり馴染みのない言葉だと思います。
しかし、脳と痛みの関係は西洋医学でも最近研究が進み注目されています。
脳には痛みの信号をコントロールする場所があります。
ここの血流が悪くなると、患部の炎症が治まった後も同じく信号を送ってしまうため、鎮痛剤の効かない痛みが続くそうです。

もちろん、ストレスとの関係がない痛みもあります。
この場合は痛みに効く漢方薬の中から体質に合わせてお出しします。

しかし、今回の症例のようにストレスがかかると悪化する痛み(心因性疼痛)もあります。
この場合は単純な痛みに使われる漢方薬だけでなく、痛みを感じる脳のバランスをよくするような漢方薬も必要です。
ふじみ薬局では痛みを訴える相談では、必ず患部だけでなく脳ストレス(五志の憂)もチェックしています。

心因性による痛みは一般的な鎮痛剤が効かないことが多いです。
脳の問題を解決しなければいけないわけですから、効かなくて当然ですが、
世間的にも、西洋医学の病院でもまだまだ認知度は低いように思います。

『心と体は繋がっている』
誰しもなんとなくわかってはいることでしょうが、漢方ではこの点を注意深く洞察します。
だからこういった症状も改善に導けるのでしょう。
漢方薬の奥深さを改めて感じました。