今日の症例は坐骨神経痛の患者さんです。
30代 男性

(経緯)坐骨神経痛

病院ではヘルニアと診断されるも全然治らず。
ひょんなご縁で当薬局に相談にいらっしゃったのが約1年前のことでした。

心因性の腰痛が考えられたため、それを目標に漢方薬を飲み始めたところ、1ヶ月ほどで1年半苦しんだ痛みは消失しました。
が、無理をしたり仕事が忙しかったりで負荷(ストレス)がかかると再発し、症状に応じて漢方薬を調節し治療を続けていました。

(症状)

そして6月に、久しぶりに症状が出ました。
腰や背中、右ひじ、鼠径部(左)、右ひざ~ひざ裏、太腿~ふくらはぎが痛み、
運転中にアクセルを踏むと右足全体が痛くなるといいます。

これらの症状も漢方薬を変更し飲んでもらうとしばらくして改善しました。

そして本日、久しぶりのご来店でした。
「痛みは全く感じることなくすこぶる好調です!」と開口一番に喜びの声。

さらに「この漢方薬を飲み始めてから、汗が減りました!」と仰いました。

夏場には衣服が汗でびっしゃりになるほど汗が多い体質(多汗といいます)だったのが、最近はずいぶんスッキリしているそうです。

症状が落ち着いている(というか無い)ので、量を減らして継続して飲んで頂くことになりました。

漢方薬の魅力

痛みに使う漢方薬の中には「水分を調節し排泄する」という働きのあるものがあります。
ひざに水が溜まってしまったときや、むくみなどにも使う漢方薬ですが、多汗にも使うのです。

関節の痛みもとれて、多汗も改善されて一石二鳥ですね。

漢方薬を飲んでいらっしゃる方に「えっ!?そんなところにも効くの!?」とよく驚かれますが、漢方薬は体質改善ですから「体質だから」とあきらめている症状でさえ、
改善するのはよくあることです。

関節痛の治療の場合、頭痛・偏頭痛・むくみ・骨密度の低下などが一石二鳥で改善されることが多いです。

これを「異病同治」と言います。
字のごとく「異なる病も同じ治療法で治る」ということです。
これは、病気を治療するうえで多角的に、また全体的に捉える漢方の特徴であり得意とするところです。

人のカラダは全てが繋がっていて、お互いが連絡しあって働いています。
西洋医学的なピンポイントの治療や見方も時に必要ですが、原因がはっきりしない病や心の病などに対しては、漢方的な捉え方の方が治癒に導けることが多いのかもしれません。

これは西洋医学的に「治らない」「手術しかない」とされている病気でも漢方で治る可能性は充分にあるということです。
お悩みの方がいらっしゃいましたら、まずはお気軽にご相談ください。