ADHD(注意欠陥・多動性障害、)とは

最近『大人の発達障害』という言葉を良く耳にしますよね。
テレビや雑誌などメディアで特集されることも多くなってきました。

発達障害の分類
広汎性発達障害(PDD): 自閉症 アスペルガー症候群 特定不能のもの等

学習障害(LD):読み、書き、計算が困難

注意欠陥多動性障害(ADHD): 多動性 衝動性 集中力欠如等(詳しくは後述)

ADHDは発達障害の一つです。
当薬局ではお子さんの相談もありますが、成人(20代~50代)の方のご相談、実績も多数あります。
問診と糸練功(医療気功)によりひとりひとりに合った漢方薬をおすすめしています。

ふじみ薬局の漢方治療症例はこちら

症状は?

大きく分けて3つの特徴があります。
① 不注意 (物事に集中できない、忘れ物が多い、ケアレスミスが多い)
② 多動性 (落ち着きがない、じっとしていられない)
③ 衝動性 (突飛な行動を取る、順番を守れない、思ったことをすぐ口に出してしまう)

原因は?

遺伝的要因の他に脳(前頭前部・尾状核・淡蒼球・小脳虫部)や神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)などが関係していると考えられていますが、正確な原因は不明とされています。

ADHDアスペルガーや自閉症、不安や抑うつを併発することも多いです。
また、小児のチック症の患者さんにもこのような傾向が見受けられることが度々あります。

治療は?

西洋医学的治療薬は神経伝達物質をコントロールするアトモキセチン(ストラテラ)と中枢神経を刺激するメチルフェニデート(コンサータ)です。
しかし、これらの薬を飲んでも改善されないこともあり、また副作用の強さから敬遠されていることもあります。

ADHDに対する漢方薬の選び方

漢方は病名ではなく症状や体質で必要な薬方を決定します。
ですから「ADHDだから○○湯」という決め方はいたしません。
同じくアスペルガー症候群だから△△、自閉症だから□□とすることもありません。

漢方薬は体質や性格から選定するので、病名には特にこだわりません。

ADHDと言っても症状や体質・性格により使う漢方薬は異なります。
また、ADHDの方はADHD症状(不注意・多動・衝動)以外にも脳・自律神経系のトラブルでお悩みになっていることが多く、その症状も治療のヒントになります。

不眠症状(寝付きが悪い・一度目が覚めると眠れない・早朝に目が覚めてしまう・夢をよく見るなど)
情緒の乱れ(イライラしやすい・落ち込みやすい・過去の後悔・予期不安など)
心因性の頭痛や動悸(考えると悪化する・イヤなことがあると悪化する・ストレスがかかると悪化するなど)
筋肉のコリ(首や肩・肩甲骨のまわり)
冷え(手足の先が冷える)
口が渇く、のどが渇く
小便の回数が多い
寝汗が多い、発汗の大小
胃腸症状(胃痛、胸やけ、吐き気、油の多いものを食べると下痢をする)

こういった症状も漢方薬を決める重要なヒントになります。
それと同時に、これらの症状を改善することによりADHDも改善されていきます

よく使われる薬草・薬方

ADHDでは、肝・胆・腎・膀胱・三焦の経絡に異常がおきていることが多いように感じます。
(糸練功でチェックするとこれらの経絡の反応が強いことが多い)

よく使われる薬草

柴胡・黄芩・牡蠣・竜骨・香附子・山梔子・酸棗仁・白朮・茯苓・黄連・枳実など

よく使われる薬方

柴胡加竜骨牡蠣湯
柴胡桂枝乾姜湯
抑肝散
桂枝甘草竜骨牡蛎湯
苓桂朮甘湯(連珠飲)
柴朴湯
柴苓湯
半夏厚朴湯
黄連解毒湯
芍薬甘草湯
小建中湯
桂枝加竜骨牡蠣湯
補中益気湯
帰脾湯

よく使われる健康食品

五志源
爽快仙
填南仙
雲竜仙
スクアレン
竜仙
牡蠣仙
※漢方薬と併用することでより改善が早まります。

上記のものは代表的なものです。
(漢方薬は病名ではなく体質や病状から決めるものです)
効能効果の羅列の中に自分と同じようなことが書いてあっても、それが必ずしも効くとは限りませんので要注意です。
どの漢方薬が合うかは漢方相談時に体質や病状(ADHDのタイプや症状)を見極めた上で糸練功を用い選定いたします。

 

ADHDへの理解

あくまで個人的な意見ですが、ADHD患者さんは頭の回転が鈍いのではなく、むしろ異常な興奮が起きているのだと思います。

私はADHDの患者さんやそのご家族に、ADHDの状態をパソコンを例にあげて説明します。
ADHDは、周りから見ると「ぼけーっとしている」「何も考えていない」と思われることが多いようです。
しかし、ご本人に話を聞くと少し違うように感じる事があります

パソコンで例えますと、
HDD(ハードディスク・記憶容量)がぎりぎりで、
過剰なマルチタスク(同時に複数の事柄を考えている)のために
メモリがいっぱいいっぱいになってしまい、動作が鈍ってしまっている状態。
というのが、私の經肩上、複数のADHD患者さんにお伝えし、納得頂けた説明です。

「ボーっとしている」のは『HDDが空っぽでタスクが一個も起動していない状態』なのではなく、
『一度にいろいろ考えすぎてにっちもさっちもいかず、適格な対応、適切な言語が出てこない』のです。

周囲の方々やご家族にはこういったことを含めご理解頂きたいところです。

さらにお伝えしたいことは、本人は「なんとかしなきゃ」と真剣に考えてるということです。
(ADHD患者さんはまじめな方が多いです)

幸いにも当薬局では漢方薬による改善例があります。
治療症例に実際の経過を掲載させて頂いています。
どうぞ参考にして下さい。