咳喘息の症例です。
37歳 女性

毎年この時期になると咳がとまらなくて苦しい、つらい

・ふとした時に咳が出る。一度出るとなかなか止まらない(えづくような咳)
・のどの痛みは無いがイガイガ感がある
・毎年この時期になると咳がとまらなくなる症状が1ヶ月は続く
・病院で出された咳止めの薬も喘息の吸入剤も効果なし
・漢方薬(名称不明)も飲んでいたが効果なし

治療のポイント

咳症状をはじめ、風邪に使う漢方薬にはかなりの即効性があります。

今回の症例は咳喘息です。
咳喘息というのは最近多く耳にする病名ですが、
気管支喘息のようなゼイゼイ、とかヒューヒューといった特徴的な呼吸の乱れはありません

ただ咳が長く続いているという状態を咳喘息と定義します。
個人的な意見としては喘息という言葉は医学に精通していない一般の方々にとっては
「治らない」「苦しい」「一生薬を飲む」といった恐怖と不安を植え付けます。
さらには西洋薬では治りにくいときたら、患者さんの心中は穏やかではありません。

漢方薬は症状と体質で選びますので、病名は関係ありません。
咳喘息などというとってつけたような病名など気にしません。

と言っても、どんな咳なのかが重要です。
□ いつから咳が出ているか?(何日経っているか)アレルギー
□ どんな咳なのか?(乾いた咳なのか? 湿った咳なのか?)
□ 浅い咳なのか? 深い咳なのか?
□ どんな時に咳がひどくなるか? またはどんな時に楽になるのか? 朝は? 夜は?
□ 症状は温めると楽になるか? 悪化するのか?
□ のどの痛みはあるか? どのあたりが痛むのか?
□ 痰は溜まっているか? 出やすいか? 出にくいか?

こういった問診から、咳の原因を探ります。原因を探ると患者さんがどんな変化を起こして咳が治らない状態になってしまったのかもわかります。

この時期になかなか咳が治らない。ステロイドなどを用いても治らないことから、
アレルギーが影響しているのではないかと推測しました。

食物アレルギーをチェック

ご本人が自覚する食物アレルギー(検査含む)は特になし
ですが糸練功により、

タケノコ トマト サトイモ 生の長ネギ ほうれん草 リンゴ ナス バナナ ヨーグルト クレソン

が強く反応しました。
タケノコとクレソンはご親族から大量に頂き、毎日食べていたそうです。

問診と糸練功の結果から、慢性的な炎症を抑え免疫を調整する漢方薬と、体の余分な水を排泄する漢方薬を選定。
念のために、糸練功で強く反応した食物は控えるようお伝えしました。

5日後(メールにて様子を伺うと、、、)
「咳がかなり楽になった!
咽のつまる感じはありますが、去年のように仕事に支障が出るとか苦しいまではいかず良い感じ!」

治療のポイント2

咳、じんましん(慢性・急性ともに)、花粉症、膠原病などの自己免疫疾患など、アレルギーが関与する病気は、少なからず食物アレルギーの影響があるように思います。

医は3割 養生7割。
養生をお伝えするのも大切な仕事です。
苦しい咳が治まってよかったですね。