痛みの症例です。
昭和12年生 女性
2015.08.29

腰~足首の痛みがつらくて歩くのも大変

娘さんに連れられて杖をついていらっしゃいました。
椅子に腰をかけるにも、立ち上がるにも恐る恐るで大変そうです。

お話を聴きますと、昨日、急に腰が抜けたように足腰が立たなくなってしまったのがきっかけといいます。
そこで急病センターに行ったのですが原因はわからず、鎮痛剤のロキソニンと貼り薬を処方されたそうです。
薬を飲んでも無効、貼り薬は貼っていると気持ち悪くなるので貼っていないとのことでした。

「原因は何でしょうか?神経でしょうか?」ととても心配そうにしていらしゃったのが印象的です。
痛みは本人にしかわからないですからつらいですね。

腰から両足の足首まで痛むそうです。
問診と糸練功から、原因は筋肉低下と血流の悪化、そして精神的な面からの痛みだと考えられました。
それを目標に漢方薬を2種類と筋肉がつきやすくするためにアミノ酸製剤を一緒に飲んで頂くことに。

漢方薬を飲んで3日後。
様子を伺うと「どこも痛くないです。」と仰いました。
なんと、3日で症状が消失してしまいました。
しかし、まだ予断を許さない状況であることと、筋肉の低下や血流の低下はまだ治っていないので漢方薬は継続です。

治療のポイント

つらかった痛みが漢方薬を飲んですぐに消えてしまった。

実はこういったケースは少なくありません。
関節痛神経痛は、骨の炎症筋肉の緊張などから起こりやすいです。
こういった場合は患部の炎症を抑えると同時に修復も促さなければいけません。
ですのでさすがに2~3日で完全に痛みが消えることは考えにくいですよね。

今回の症例のような場合を、心因性疼痛と言います。
心因性という字のごとく、精神的な面から痛みが悪化している状態です。
脳の一部の働きが悪くなり、痛みの信号を出し続けているために起きているとされています。

「病は気から」という言葉もあるように、全ての病気に「気」は大きく関係してきます。

私はどんなご相談の際も、「ストレス」「心」「感情」が病気に影響していないか必ずチェックします。

西洋医学では腰痛で罹る患者さんのうち85%が原因不明とされていることからも、心因性による痛みで悩まれている方はとても多いのかもしれません。
漢方薬は精神疾患(不眠やうつなど)にも使われます。
ですから、脳や自律神経が原因で起きている病気も改善されることが多いのです。

どこへ行っても良くならない、そんなあなたもあきらめる前にご相談ください。