不定愁訴の症例です。
60代 女性
前回の内容はこちら

昼も夜もすごく眠いのですが、漢方薬を続けても大丈夫ですか?

前回からさらに2週間、漢方薬を飲んで頂きました。
様子を尋ねますと「日中も夜もとても眠い」と少し心配そうに仰いました。

これは自律神経の乱れが起きている方が治療のために漢方薬を飲むと起こる現象です。
※もちろん患者さんには初回時に説明させてもらっています。

おそらく乱れた自律神経が元に戻ろうとする際に起こる揺り返しのようなものかと考えています。

多くの場合この状態が長くは続かずに2週間ほどでなくなります。
もちろん、その間も漢方薬を飲んで頂きます。

巷でよく言われる好転反応のようなものだと考えられています。
私はこれもヒトの自然治癒力の賜物だと思います。

漢方薬は自然治癒力を元に戻そうとする働きを促すものです。
精神的な症状は自律神経が影響していますので、これらも体質として捉えることができ改善可能だということです。

心配な反面「リラックスしていることが実感できる」とも仰っていました。

睡眠に関しては寝付きは6~7割良くなっていて1週間のうち4~5日は良いそうです。

途中で目が覚めることはなくなりました。

頭痛はそんなに感じなくなりました

夕方5時になっても不調を感じる事がなくなったため、家事ができるようになりました。

便通もよくなりました。

尿意を催すと動悸が起きていましたがそれもなくなりました。

下まぶたのけいれんが止まりました。

あくびが出るようになりました。

考え事をして不安になった時の息苦しさは消えました。

糸練功のチェックにより、今回は雲竜仙とスクアレンが無くても反応が同じだったため、漢方薬2種のみ継続して頂きました。

上に書き連ねた症状はほとんどが西洋医学的検査には引っかからず、それ故に理解されがたいものです。

こういった症状を不定愁訴と呼び、治療の術をもたない所では自律神経失調という病名のゴミ箱に捨てられる結末となります。

しかし漢方の見方は西洋医学とは捉え方が異なるため、これらも治療可能と推測できることが多々あります。
当薬局ではこの自律神経失調と考えられる症状、自律神経が関係していると思われる症状に対する相談が非常に多くなっています。

治療に必要な漢方薬はひとそれぞれです。

病名が同じでも使う漢方薬は違うことがあります。
病名漢方の病院ではパニック障害には柴胡加龍骨牡蛎湯が処方されます。
不定愁訴と言えば加味逍遙散が処方されます。
それで効く人も居るかもしれませんが、的中率は低くなるであろうことは否めません。

当薬局では問診と糸練功のチェックによって、より適切なものをご提案することができます。
どこに行っても治らなかった方も、あきらめる前に一度ご相談ください。