自律神経失調の症例です。
50代 女性

とにかく疲れやすくて体がだるい

以前から食物アレルギーによる皮膚炎でいらっしゃている方です。
皮膚の方はかなり改善してきているのですが、ここ最近だるさがひどく疲れも抜けないと相談されました。

心配になり近所の内科に受診したところ、更年期障害では?と言われ当帰芍薬散を処方されたそうです。

 

気になる症状は

・疲れやすい、疲れがぬけない
・一日中だるい、一日中眠い
・手足に力が入りにくい(握力が弱ってる)
・食欲がなく、食べてもすぐお腹いっぱいになってしまう
・寝付きは良いけど、2時頃に一度目が覚めてしまいなかなか眠れない
・息苦しい、息をハーハーとつきたくなる
・トイレ(小便)に1時間おきに行く

不定愁訴が多く、更年期障害を疑う気持ちもわからなくはありませんね。

しかし、原因に心当りがあるか尋ねると、
3月は仕事がとても忙しく、4月は割りとゆっくりできた。
緊張の糸がきれたのかも、とのこと。

そのせいか1週間ほど前に咳が出て、その後上記の症状が出てきて体調を崩したそうです。

総合的に考えると、肉体的にも精神的にも疲れて自律神経が乱れてしまったようにも考えられます。

 


問診と糸練功でチェックし、漢方薬を選定

漢方薬:胃腸を元氣にするとともに軽度の炎症をとる作用のもの
食物アレルギーの煎じ薬も飲まれていることもあり、漢方薬の代用として風参(人参がメインの健康食品)と牡蠣肉エキスの錠剤を飲んで頂きました。


ここが決め手! 早く結果が出たポイントは?


力が入りにくい、だるい、無気力、食欲がないもしくはすぐお腹いっぱいになってしまう、日中の眠気が強いという症状を、漢方では脾(消化器系臓器のことです)(幅広い意味のおなかです)に原因があると考えます。

さらに風邪を引いてから様々な症状が出てきたことから、体力が落ちていることも伺えます。

現在の症状を知ることはもちろんですが、なにがきっかけで、どんな原因で症状がはじまったのかも重要なヒントです。

漢方薬は体質で決めるといいますが、病気のタイプも同時に考えなければいけません。

また、この方は食物アレルギーが多数あるため、漢方薬でアレルギーが出ないかどうかのチェックも必要ですね。


 

3週間後

様子を尋ねると「(悩んでいた症状は)スッキリよく治りました」と微笑まれました。

しかし、野蒜(のびる)を食べたらまた皮膚症状とのどイガイガが出てしまったとのことでした。
糸練功でチェックすると野蒜(のびる)はこの方にはアレルギー反応がありました。

ネギ科は生で食べると刺激が強いですのでそちらの面でも要注意ですね。
アレルギー症状が出にくくなったとはいえ、油断は禁物。
食物アレルギーの漢方薬は継続中です。