音声チック 「んんん」とのどを鳴らす

神経痛で漢方薬を飲まれている患者さんが「先生、うちの息子のことですが、チックが出ているのですが漢方薬で良くなりますか?」と質問されました。

8歳 男児

気になる症状は?

音声チック:「んんん」とのどを鳴らす。
運動チック:首を縦に振る

緊張したときやスマホで動画を見ている時、ゲームをしている時に多く出ます。
学校では我慢しているらしく学校の先生からは何も言われません。
家に帰ってくるとそれまで溜めこんだ分をはき出すようにチック症状が出ます。

本人はチックが出ている自覚がないので、音声チックを指摘すると余計出てしまいます。
自覚がないうえに、そもそも薬が嫌いなので漢方薬を飲んでくれるかどうかも心配です。とお母様が仰いました。

症状・体質チェック

□ 音声チック:「んんん」とのどを鳴らす
□ 運動チック:首を縦に振る
□ 偏食
□ たまにおなかが痛いという
□ 体格は同年と比べて小さめ(身長も体重も)
□ 少し神経質だが、性格はおっとりしている

 

糸練功で原因をチェックしチックの漢方薬を選定

脳~自律神経の異常な興奮を抑える漢方薬を、煎じ薬としてお渡ししました。
味は苦くとてもおいしいとは言えないものなので、飲めるかどうかお試しでまずは3日分だけ。

3日後

様子を伺うと「最初は嫌がっていましたが、いまは飲めています。まだ症状が改善されているかわかりませんが、飲ませたいので漢方薬を追加でおねがいします。」と仰られたので追加分をお渡ししました。

漢方薬を飲んで30日経過

運動チックは変わっていませんが、音声チックが減った気がします
本人に尋ねようにも自覚がありませんので尋ねようがありません。
チック症状を意識すると動きが激しく出るので指摘もご法度です。
(ちなみに本人には「元気になるため」という理由で漢方薬を渡しています)

さらに30日後

「運動チックも音声チックも減ってきました!」
しかしながら、私の想定よりも改善のスピードがなめらかだったので、粉薬を追加しました。
煎じ薬に混ぜてもよし、オブラートに包んでもよし。とにかく飲んでみてくださいと言ってお渡ししました。

さらに30日後

「チックがだいぶ減りました!粉は全然平気なようですすんで飲んでいます。」
糸練功でチェックすると良い具合に改善しているようでした。

治療のポイント

チック症はてんかんのように、脳の異常な興奮が原因と考えられています。
実際、そういった症状を治す働きのある漢方薬で改善されています。

漢方では性格の違いも体質の違いと考え、怒りっぽい性格の人に合う漢方薬、気分がおちこみやすい人に合う漢方薬、落ち着きがない人に合う漢方薬などがあります。

これを糸練功でチェックすることでより適切な漢方薬を選ぶことができます

また、スマホやゲームをやっている時に悪化する、ということなので漢方薬を飲むことに加え、これらの時間を減らしてもらいました。

詳し

糸練功で性格に合った漢方薬をみつけること。そして生活で改めることを見つけること。ちょっとしたことが解結の糸口になります。