突然起こる めまい メニエル病 にも漢方薬が著効
めまい(メニエル病)の症例です。
30代 女性
どんなときにめまいがしますか?
・昔から、疲れがたまったり調子が悪いときに出ていた
・最近は下を向くと出る
・スーパーに行くと出る(冷蔵品コーナーなど寒い所)
治療のポイント
漢方では、めまい(メニエル病)は水毒によって起こると考えられます。
めまいと言っても種類があります。
①クラクラ 立ちくらみタイプ
②フワフワ 地面が揺れるタイプ
③グルグル 回転性めまいタイプ
漢方は体質や症状に応じて薬を選定しますので、
めまいと言ってもどのタイプなのかによって
使う漢方薬が違います。
今回の患者さんは①のクラクラ 立ちくらみタイプでした。
体質チェック
・冷えのぼせ:足の指先は年中冷えるが、たまにのぼせる
・子宮異形成の手術後(2か月前)から体調不良に。
・術後から1ヶ月で体重が6kg増え、その後がんばっても減らない
・昔、百貨店の洋服店に勤めていたころにはしょっちゅうめまいが起きていた。
・夜になると微熱が出る
・慢性頭痛
・下腹部が痛くなることがある
・生理血にレバー状の塊が混じる
糸練功でチェック
めまいの反応 小腸 陽証 2.5合 連珠飲証
また、子宮異形成手術後から体調が悪化したことを考慮し、
瘀血の反応 三焦 陽証 0.5合 甲字湯加ヨクイニン証 を確認。
めまいの漢方薬(即効性)と古血を捨てる漢方薬(体質改善)を選定。
↓
30日後
□ 漢方薬を飲み始めてから、明らかにめまいの回数が減った。(今回は1回だけ出た)
□ 今回の生理では経血の色がキレイになり、塊の量も減った。
□ 足の冷えをかんじなくなった。
瘀血(おけつ)とは、血液がドロドロしている状態、流れが滞っている状態です。
西洋医学の血液ドロドロは糖尿病や脂質異常症、脳梗塞や心筋梗塞などの病気を注意するときによく使われますが、
漢方では解釈が異なります。
西洋医学的なドロドロに加え、肩こりや痛み、子宮筋腫や生理痛なども瘀血として捉えて治療します。
特徴としては、
・局所的な痛み(特に頭痛)
・夜になるとひどくなる
・口の渇き 唇の乾燥
・手のひらに熱感
・便秘がち
・舌の裏の血管が怒張している
などがあります。
特にわかりやすい特徴は舌の状態です。
・舌自体の色が紫色っぽい、もしくは紫色のしみがある。
・舌の裏の静脈が怒張している。
これらは典型的な瘀血のサインとして、セルフチェックできますので、
歯磨き時にでも見てみるといいかもしれませんね。
めまいは漢方薬が得意とする疾患のひとつです。
漢方薬はゆっくり効くというイメージですが、
めまいに関してはかなり即効性があります。
私の経験ですが、病院を転々として一向に治らなかっためまいが3日で治ったという症例もあるほどです。
あきらめる前にご相談ください。