漢方薬の魅力は体質改善(子宮頚部異形成)

子宮頚部異形成手術後の体質改善の症例です。
32歳 女性

子宮頚部異形成とは

子宮頚部異形成とは、子宮頸がん(子宮頸癌)ではありませんが正常細胞が変化した状態をいいます。
子宮頚部異形成の大半は自身の免疫により自然治癒するとされています。
が、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染している場合、子宮頸がん(子宮頸癌)に移行することがあります。

原因はHPVの他にストレスや疲労などによる免疫力の低下が考えられます。
自覚症状はほとんど無いため、子宮がん検診で見つかることの多い病気です。
不正性器出血や帶下(おりもの)の増量がみられることがあります。

この方の場合は今回で2度目の摘出(手術)を行いました。

再発はこわいし、なにより体調が悪いのを改善したい!

体質チェック

・生理周期:30日で順調
・生理痛:あり婦人疾患 婦人科疾患

・生理血にレバー状の血の塊が混じる
・生理1週間前からだるさが出て、体が熱くなる
・生理前になると腹筋・腰・ふくらはぎが痛くなる
・排卵日付近で感情の起伏が激しくなる
・冷え性(特に手足の指先)
・気力低下
・便秘と下痢を繰り返す
・寝起きが悪い
・甘いもの(チョコ、クッキー、スタバの甘いやつ)がとにかく好き

糸練功でチェック

患部の反応① 三焦 陽証 甲字湯加薏苡仁証
患部の反応② 胃  陽証 黄解散合四物湯証

瘀血(おけつ)(古血が滞った状態)を改善する漢方薬を選定。



28日後
○ 生理前の不調(だるさ)がなくなった!
○ 生理血にまじる塊が少なくなった!
○ ホルモンバランスによる感情の起伏がなくなった!
△ 生理痛はあった
△ 生理時にむくみがあった

その他
・手足が熱くなる(特に足がひどく、靴下を脱ぎたくなる)が、発汗しない

問診、糸練功のチェックで改善がみられていたので主訴に対する漢方薬は継続。
血を増やしホルモンバランスを良くする漢方薬を追加。

つづく

養生のポイント

漢方では異形成や癌、ポリープなどの異物を瘀血(おけつ)として捉え治療します。
瘀血とは、血液がドロドロしている状態という説明がわかりやすいですが、それ以外にも様々な症状を呈します。

瘀血は女性の場合、生理と大便によって対外へ排泄されます。
上手に排泄できる仕組みをつくるのも大事ですし、
瘀血を増やさない食養生も大切です。

今回の症例の方は、チョコが大好きでした。
食養生のことをお伝えしたらかなりショックをうけられました。
「なんとなく体に悪いかなとは思っていたけど、まさかこの病気を悪化させる原因になっているとはしらなかった」
「徐々に減らすようにしてみる」とのことでした。

瘀血を悪化させる食べもの
・白砂糖
・悪い油
・アルコール(ビール、清酒、ワイン)

がんを悪化させる食べもの
・もち米類(もち、赤飯、おこわ、せんべい)
・とりの皮
・かに肉
・過度に辛い食べ物

注意が必要なもの
・コーヒー
・薬用人参(朝鮮人参・高麗人参・おたね人参)

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