変形性膝関節症の症例です。
59歳 女性
5年くらい前から両膝が痛む状態が続いており、今までに何か所か病院に行ったり漢方薬を飲んでみたが治らない。
最近、急に悪くなってきたためにご相談にいらっしゃいました。

どんな時に痛みを感じますか?

□ 長時間の立ち仕事をすると痛みがひどくなる
□ 同じ姿勢をしていて、動き出すときに痛い
□ 階段(特に下り)
□ 寝返りをうつと
□ 重たいものを持つと
その他
□ ふくらはぎ、ひざの裏が突っ張る
□ 膝が抜ける(カクンとなる)
□ 歩くときに安定感がない(思っているより足が前に進んでいない)
□ ギックリ腰になりやすく、腰も悪い

治療のポイント

この患者さんのひざ痛は、
ひざ全体が痛く、しかも両方、さらには腫れも目立ちました。
筋肉量が少ないことに加え、骨や関節部の炎症も考えられます。

立ち仕事のため、常にひざを酷使していることも、痛みを悪化させる要因です。
しかし、やはり仕事となればガマンしなければいけないことも多いのが実情です。

より早く痛みを楽にするために、
・お酒をできるだけガマンする
・ひざに負担をかけずに筋肉を増やす運動をする

以上の2点をお伝えしました。

問診と糸練功の結果から、
血流を良くする漢方薬を飲んで頂くことに。


14日後
「ひざの調子はいかがですか?」
とお尋ねしたところ
「まだ痛い!」と言われ少し戸惑いましたが、
問診をしているうちに「そう言われればそれは無くなりました」という症状がいくつかあり、改善方向にあることがわかり一安心。

痛みというのは本人にしかわからないので、それ自体を評価するのが難しいものです。
痛みがあるうちは、やはり少しでも痛みがあれば痛いのです。

「前回の痛みを10とすると、今は何点くらいですか?」
と尋ねると
「8点くらい」とのことでした。

こういった痛みに対する「ものさし」を差し出すことで、こちらも様子がわかりやすいし、
患者さんご本人も少しずつ良くなっている実感がわきやすいものです。

5年以上続く痛みが2週間で変化が起きました。
漢方薬は痛みをとるという即効性はさることながら、痛みを起こさない体質に改善することもできます。
ひざ痛体質を治すために、しばらく頑張っていきましょう。