あれだけつらかったホットフラッシュが
更年期障害の症例です。
40代女性
ホットフラッシュのせいで気分がゆううつです
ホットフラッシュは更年期障害の中でも頻度が多く強い症状です。
特に人前に立った時、緊張したときに尋常ではないほどのほてりと汗が出るといいます。
この方はさらに動悸を感じることも多く、そのため不安になることも多いとのことです。
更年期障害は今回が2度目だそうです。
初めてなった時には病院でツムラの加味逍遙散(24番)をもらい改善したそうです。
今回も病院で出してもらったがそれでは一向に治らないということでご相談にいらっしゃいました。
体質チェック
・冷えのぼせ(顔は熱いが、おなかや腰、足は冷える)
・便秘がちで下剤(マグネシウム剤)を毎日飲んでいる
・トイレ(小)の回数が多い
・生理は不順で、生理痛がひどい
・ストレスが強いと色々考えてしまい眠れなくなる
冷えのぼせは、上半身はのぼせて熱く、下半身は冷えている状態です。
漢方では気のめぐりが悪くなった結果としてこういった症状が起きると考えられています。
そのため、気のめぐりをよくする漢方薬が必要になります。
また、便秘がちであること、生理が不順で生理痛が強く、レバー状の血の塊も出るということから、
瘀血(おけつ)もあると考えられます。もちろん、ホルモンによるものも大きいと思います。
さらに、のぼせがとにかく強く、ストレスがかかるとさらに悪化することから、
心因性の影響も大きいと考えました。
問診と糸練功の結果から漢方薬を選定し、飲んで頂く事に。
↓
2回目の相談(14日後)
様子を伺うと、
□ホットフラッシュ時の汗がじんわり程度に減った
□おなか周りの冷えが気にならなくなった
□小便の回数と量が増えた
□朝の手のむくみが減った
3回目の相談(さらに14日後)
□ホットフラッシュは1日に2~3回程度になった(以前は数えきれないほど)
□手のむくみがなくなって体が軽くなった
□のどの渇きが気にならなくなった
全体的に改善傾向にあるため、漢方薬は同じものを継続して頂くことになりました。
つづく
治療のポイント
更年期障害はストレスが大きな影響を及ぼしていることの多い疾患です。
今回名前があがった「加味逍遙散」は婦人疾患に広く使われる有名な漢方薬です。
ツムラ(加味逍遙散エキス顆粒)の説明書には
体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症。
冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症。
と書かれています。
今回の症例の方はまさにこの文章の通りといった体質でしたがツムラの加味逍遙散では治りませんでした。
その理由として考えられるのは
・一般的にエキス顆粒は効果が弱めであることが多い
・加味逍遙散だけでは治められないほどの症状の強さだった
・そもそも加味逍遙散が効く体質ではなかった
他にもいろいろありますが、この3点が大きいと思います。
同じ漢方薬でも病院のものと当薬局のものでは効果が全然違います。
本格的な漢方薬、効き目が違う漢方薬をお探しでしたら、ぜひご相談ください。