風邪のとき解熱剤を飲まない方が早くなおるワケ
みなさんこんにちは、葵区新富町3-33-3(←3並びなんです)ふじみ薬局の高橋信人です。
さて、そもそもの話~其の一~です。
今回は老若男女のみなさんにお馴染みのある病気 『風邪』 のそもそもをお話したいと想います。
風邪による感冒症状(せき、鼻水、発熱、痛み)はウィルスや細菌が体の中で増えた結果、それを追い出そうとする反応です。
中でも『発熱』は免疫を活性化させるスバラシイ反応です。
なのに、「熱が出たらすぐ解熱剤を飲む」という方が非常に多いように見受けられます。
(特にお子さんの風邪を心配する親御さんに多いですね)
体温が1度下がると免疫は30%下がるそうです。(ちなみに酵素活性は50%下がります)
「だったらとにかく熱は上げまくった方がいいんですよね!?」
と言うのもちょっと違うんです。
解熱剤も飲むべき状況、飲むべきタイミングがある ということです。
しかし、今、お医者さんやいろんなところでは
「38.5度をこえたら飲みなさい」と指示することが多いです。
これが大きな間違いなのです。
いちばん氣にするべきは数字そのものではなく、人間の本能的な感覚です。
(そもそも平熱も体質もひとりひとり違うのですから、数字だけで判断すること自体が、ね)
風邪の発熱のときに感じる感覚と言えば、そう 寒気 ですね。
ここでそもそもの話です。
『寒気がする』 というこの体(というのか脳と言うのか心と言うのか、今回は体という表現でいきます)のサインはいったい何を意味・意図しているのでしょう?
簡単ですね、『もっと温かくしてくださいよ~』というメッセージですよね。
38.5度になっても寒気がしているうちは、体は温めることを要求しているのでまだまだ熱は上がります。
大事なことは『必要だから上げている』ということ。
必要というのは体内で悪さをしているウィルスや細菌(風邪のほとんどはウィルス性なので抗生物質が効かないことはもう常識です)を追い出すために必要だということ。
逆に、38.5度以下でも、のぼせてボーっとしてしまうほど熱いのにまったく『汗をかけない』 こんなときには解熱剤を飲むと楽になります。
でも、そんなときも、解熱剤ではなく、発汗療法でかんたんに風邪は治っていきます。
そうです。 風邪をいちばん早く、かつ安全に治す方法は『発汗』なのです。
私は漢方薬が好きなので、風邪の時も漢方薬で治します。
葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯(マオウトウ)ですね。
麻黄湯(マオウトウ)なんてのは、数年前に効能効果に『インフルエンザによる感冒症状』と追加されたのに、まだまだ処方する医師は少ないようですね~。
タミフルやリレンザなどの化学物質よりも、断然安全で効果もあるのに、なぜでしょうかね~(笑)
他にもケイシトウやジンソイン、ショウセイリュウトウやバクモンドウトウなどなどいっぱいありますが今回は割愛です。
カッコントウとマオウトウ、これは確かにめっちゃ効くのですが、注意があります。
ひとつは、その人の体質・病気の症状・病気の進行度によって漢方薬は使い分ける必要があること。
これは、漢方薬に詳しい人でないと判断が難しいです。(これを読んでいる方は、私に聞いてくださいね)
そしてもうひとつ、これはとっても大事でとっても基本的なこと。
カッコントウもマオウトウも、それ自体がウィルスをやっつける作用があるわけではない、ということです。
ではどんなことをしてくれるのでしょうか、と言いますと『汗を出しやすい環境』にしてくれるのです。
風邪をひいても薄着だったりアイスを食べたりして「漢方薬ぜんぜん効かな~い」なんてのは言語道断ですね(笑)
私も実践していてとても効果があるのは、
『漢方薬飲んで、ホッカイロを貼る作戦』です。
ちなみにカイロを貼る場所は、おおむね腰とへその下でいいのですが、冷えて咳が出る時は肩甲骨の間とみぞおちにも貼ります。
どちらも、前と後ろに貼って熱でサンドイッチするわけです。
そして布団蒸しになっていると、尋常ではないくらい汗をかきます。
これで治るんですね~。
せき・くしゃみ・鼻水・のどの痛み・寒気・頭痛 は多くの場合は『体が冷えてるから温めて~』というサインです。
「発熱」しているのに「冷えている」なんて変な感じがしますが、それが人体のおもしろいところ。漢方のおもしろいところ(´∀`)