何がちがうの? 病院の漢方薬とふじみ薬局の漢方薬
近頃、漢方薬がメディアで特集されることが増えるにつれ、
「漢方薬を飲んでみたい」と考える方が増えているようですね。
『漢方薬に魅力を感じる』これはとても嬉しいことです。
でも、どこで手に入れたら良いかわからない方が意外にも多いようです。
あまり知られていない『漢方薬の違い』
ドラッグストアでも箱に入って並んでいるし、
病院に行けば保険が効いて安く手に入る、
でもやっぱり専門の漢方薬局が良いのか。
違いは何だと思いますか?
漢方薬の剤形(飲み方、かたち)の話から入りましょう。
漢方薬の名前には、3種類あります。
葛根湯や防已黄耆湯などの○○湯。
抑肝散や当帰芍薬散などの〇〇散。
桂枝茯苓丸や八味丸などの〇〇丸。
〇〇湯:湯煎することによって有効成分が出やすい生薬が入っている。
〇〇散:粉末にして飲んだ方が効き目が良い生薬が入っている。
〇〇丸:構成生薬の中に胃に負担がある場合はこちらが良い。
例外はありますが、ほとんどがこういった理由から薬方名が決まっています。
ですから、名前通りの飲み方が『いちばん良く効く飲み方』なのです。
製造技術が進歩している現代ニッポン。
ここで問題になるのがツ〇ラを代表とするエキス顆粒という剤形。
○○湯エキス顆粒と表記されているものです。(要するにツ〇ラやク〇シエなどの医療用漢方薬ほぼ全てです)
エキスというくらいですから、生薬を煮込んで煮詰めたものを顆粒状にするわけですが、この「煮詰める」工程で有効成分が無くなってしまうものも少なくありません。
(野菜炒めなどを作るとき、最初からゴマ油を入れると大抵できあがったころには香りが飛んでしまいますよね?だからゴマ油は仕上げにかけますよね?それと似たようなものです)
〇〇散というのは熱に弱い有効成分が多く含まれています。
熱を過剰にかけると揮発してしまう『香り』が有効成分になる薬方は、実はかなり多いのです。
ストレスや精神疾患などで気の発散がうまくできないときに使う漢方薬は、香り成分がかなり重要となります。
(アロマオイルの香りで気分がスーっとした経験がある方はイメージしやすいかと思います)
ですからそういった時に使われる漢方薬には○○散とつくものが多いです。
婦人疾患でよく使われる当帰芍薬散・加味逍遙散、ADHDやストレスでイライラしてしまう時の抑肝散・四逆散など、これら〇〇散は末にしたものを飲むのがいちばん効く飲み方なのです。
もちろん、当店では〇〇散というものは全て粉末になったものを使用しています。
どうしても1回の量が多くなってしまったり飲みにくかったりするのですがそこはご理解ください。
ちなみに私の漢方薬は抑肝散加減+爽快仙です。毎日苦味を味わって飲んでいます(^^)
〇〇湯というのは湯煎するのがいちばん良く効く飲み方です。
漢方薬の源流は『煎じ薬』です。
ですから煎じて飲むのがいちばん効果的です。
当店の場合、3日分を1度に煎じてもらうことが多いです。
1包をやかんや鍋で煎じてもらい、冷蔵庫に保存して頂いています。
煎じ薬は「めんどくさい」と言われることがあるそうですが、「3日に1回」なら負担が少ないそうで当店では「それならば」と仰っていただく方が多いです。
もちろん、様々な事情でそれが難しい場合もありますので、顆粒・粉・カプセルでも対応できます。
そういったときはお湯(ゴクゴク飲めない位の熱さ)で飲んでいただけるとより効果的です。
〇〇丸というのは胃にやさしい
最後は丸剤です。
胃腸を傷めやすい薬草(成分)が入っている漢方薬です。
胃腸の負担を軽減するためにハチミツで練っています。
今回は剤形(漢方薬のかたち)の話でしたが、これだけでも大きな違いがあります。
最も大きな違いである『漢方薬の処方の決め方』はまたの機会に。
つづく