トイレに行こうとすると動悸がはじまる(漢方治療症例)
動悸(発作時頻尿)の漢方治療症例です。
70代女性
動悸はどんな時に出ますか?
階段を上った時に動悸がします。
「その時、胸に圧迫感をおぼえ、脈うつ音がとても大きく感じとても不安になりました。」
「心配になったので漢方薬で治したい」と来局されました。
併用薬
アムロジピン(5)
シロスタゾール(100)
アレナピオン(20)
健康食品
DHA&EPA&PS&レシチン
フランス海岸末と高麗人参
にんにくエキス
ローヤルゼリー
病歴
意識が朦朧とし病院へ行ったら「隠れ脳梗塞」と診断された(5年前)
突発性記憶喪失(1年前)
左心室肥大()
高血圧
動悸の特徴は?
□ 動悸するとトイレに行きたくなる(小便)
□ 肩や首がこっている時は悪くなりやすい
□ 胸のあたりがザワザワする
・胸部痛は無し 過呼吸もなし
糸練功でチェック
患部の反応(脳ストレス) 肺 陽証 0合
気のめぐりを良くする漢方薬、気の発散を助ける漢方薬を選定。
また、病歴や現症(頭重感など)から、血流をよくする漢方薬を選定。
↓
漢方薬を飲み始めて7日目
□ 階段を上がったときの脈うつ感じ(トントンする) ← 消失
□ 夜中に動悸がするので良く眠れない ← 睡眠時間が長くなった
治療のポイント
「動悸がする時にトイレに行きたくなる」といのは大きな特徴です。
動悸と言うと心臓が悪いとばかり考えられがちですが、
そればかりではありません。
当薬局では動悸の原因を
①血の流れ(心臓・血管など循環器)
②水の流れ
③気の流れ
③五志の憂(心因性、自律神経)
と考えます。
病院のお薬で治るのは①の一部です。
他の場合は漢方薬の方が著効を示すことが多いです。
今回の症例の方は主に②と④の影響が大きいです。
とはいえ①や③も全く関係ないわけではないので、これらのバランスを整えることで治療とします。
↓
30日目
〇 脈が速くなることはあるが、治まるのが早くなった
〇 よく眠れる日が増えた
〇 血圧も安定している
△ 頭がスッキリしない。何かをかぶせられている感じ。
ただ、頭重感がとれないということでしたので、頓服的に別の漢方薬を飲んで頂くことに。
つづく
こちらの記事もチェック
前の記事
脳の異常興奮にも漢方薬
次の記事